富山城

登城記
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続日本100名城
所在地:富山県富山市

登城日:2019年5月

 富山城址公園として気持ちのいい空間になっています。雰囲気のある千歳御門石垣、周りを一望できる模擬天守など、ゆったり過ごすのにちょうど良い遺構が揃っています。

魅力度ポイント

 鉄門枡形の石垣は5つも鏡石があり、必見です。堀と石垣、天守の雰囲気を味わってください。

点数はあくまでも個人的な見解です。魅力度ポイントの詳細については以下ご参照ください。

概略

 富山城は、1543年(天文12年)頃に越中西部の守護代神保長職(じんぼながもと)が築城したとされている。戦国時代には上杉氏や織田信長家臣の佐々成政が城主となった。佐々成政は大規模な改修を行なったと言われている。1585年(天正13年)には、羽柴秀吉に富山城を囲まれて、佐々成政は降伏し、富山城は破却された。

 江戸時代には、加賀藩前田家の分家が富山藩を立藩し、初代藩主となった前田利次は富山城を居城とした。1661年(万治4年)、幕府の許しを得て、本格的に城を修復し、城下町が整備され、以後富山前田氏が幕末まで存続した。1871年(明治4年)の廃藩置県により城は廃城となり、建築物は払い下げられた。その後、水堀も順次埋め立てられた。

 城は、四方を水堀河川で囲み、特に北面は神通川を天然の守りとした。本丸の南面に二の丸、東西に出丸を置き、さらにそれらを三の丸で凹状に囲んでいた。梯郭式(ていかくしき)の平城であった。現在は富山城址公園として整備され、本丸の南側の石垣内堀、搦手の石垣が残っている。

別名安住城、浮城   
城地種類平城
築城年代天文10年(1543年)頃   
築城主神保長職
主な城主神保氏、佐々氏、前田氏   
文化財史跡区分 

見どころ

千歳御門(ちとせごもん)

千歳御門

 千歳御門は、千歳御殿の正門として建てられた門で、富山城で唯一の現存建造物です。明治後に払い下げられましたが、所有者が富山市に寄贈し、2008年(平成20年)に現在の場所に移築されました。富山城址公園の東側の入り口のように立っております。

千歳御門(正面)

 三間薬医門(さんげんやくいもん)と呼ばれる格式高い城門建築のようです。総檜造りで、屋根には赤れんがが使用されています。現存する同形式の門は東大の赤門だけだとされており、貴重な建築物であることから2008年に市指定文化財に指定されています。風格ある立派な門ですね。

千歳御門の南側の石垣

 門を挟むように石垣がそびえていますが、こちらは復元されたもののようです。

城内から見た千歳御門

 往時を偲ばせる城門があるのはやっぱりいいですね。当時の雰囲気を想像することができます。

水堀

水堀

 現在は内堀の一部が残っています。本丸南面の堀で水堀となっています。右側が本丸です。本丸に渡る土橋が水堀に架かっています。

土橋から見た水堀

 土橋から西側を見ています。堀として残っているのはこの付近の内堀だけのようです。さすが本丸を囲む堀だけあって幅広いです。

石垣

鉄門跡

 水堀に架かっている土橋の上から本丸方面(北側)を見ています。この枡形になっている出入口が本丸の正門であった鉄門(くろがねもん)があった所です。現在はその石垣が残っています。

富山城の石垣について

 石垣に関する説明板がありました。これによると、富山城の石垣は野面積み布積みなど、様々な技法で積まれた石垣が混在しているようです。

鏡石について

 特筆すべきは鏡石で、先ほどの説明板の左上に配置図が載っています。なんと、鉄門枡形には5つも鏡石があります!同じ場所にこれだけ鏡石がある城は他にないかもしれません。

正面の鏡石

 鉄門入った正面(枡形の北面)に2つ鏡石があります。

東面の鏡石(手前)

 枡形の東面にも2つあり、これは手前側の鏡石です。

東面の鏡石(奥)

 こちらが東面の奥側にある鏡石です。

西面の鏡石

 そして、枡形の西面にある鏡石です。枡形内では3方向から鏡石が押し迫ってくる感じですね。
尚、こちらの鏡石は1つ前の東面の鏡石の天地を逆にしたものらしく、つまり同じ石を使っているということらしいです。確かに逆さにすると同じ形ですね。これも面白いですね、他の城では見たことがありません。

鉄門枡形

 鉄門枡形を通って本丸内に入って振り返った時の写真です。ここからでも鏡石が分かります。

多聞櫓の石垣

 鉄門枡形の西側にある多聞櫓跡の石垣です。

模擬天守(富山市郷土博物館)

南側から見た模擬天守

 富山城の天守は史実に基づかない模擬天守です。鉄門枡形の石垣の上に建てられたコンクリート造りの3重4階の天守で、彦根城や犬山城を参考に1954年(昭和29年)に建造されています。

模擬天守(富山市郷土博物館)

 城内から見た模擬天守です。史実に基づかないとはいえ、これはこれで絵になってますね。すでに70年以上経過しているわけで、そうなるともう歴史ですね。実際に歴史的建造物として国の登録有形文化財に登録されています。

富山市郷土博物館の入口

 模擬天守の内部は富山市郷土博物館になっています。

模擬天守からの眺望(東側城内)

 最上階の展望台は回廊になっていて、周辺が一望できます。金網があり写真的には難しいですが、こちらは東側の城内です。千歳御門も見えます。

模擬天守からの眺望(西側)

 こちらは西側で、多聞櫓の石垣鉄門枡形が見下ろせます。金網にピントが合ってしまい、写真的には失敗してます…。

模擬天守からの眺望(南側)

 南側は水堀です。土橋もよく見えます。

富山城址公園

富山城の石材の展示

 模擬天守、石垣、千歳御門の一帯は、富山城址公園として整備されています。こちらは模擬天守前の広場で富山城の石垣に使われていた石材の展示です。

佐々成政の歌碑

 こんなのもありました。佐々成政歌碑です。
何事もかはり はてたる世の中に 知らでや雪の 白くふるらん
世の中は変わっていく、つまり、自分は激動の中で変わり果てていくけど、雪は何も変わらずに降っている、という意味だと思われます。佐々成政が秀吉に降伏した時に詠んだ歌だと言われています。まさにこの場所で詠んだのかもしれませんね。個人的には好きな武将の一人なので感慨深いです。これを作ろうと思った人は渋カッコいいですね、、よくぞ作った!という感じです。

佐藤記念美術館

 本丸搦手の石垣の上には、佐藤記念美術館が建てられています。

アクセス

JR・あいの風とやま鉄道「富山駅」から徒歩約10分
市内電車「国際会議場前」から徒歩約2分

車の場合は、富山城址公園の駐車場が便利です。公園の地下が駐車場になっています。

スタンプ設置場所

 富山城の続日本100名城スタンプは、下記に設置されています。(最新情報や詳細は公式サイトにてご確認お願いします。)

富山市郷土博物館(模擬天守)

・開館時間、休館日にご注意ください。

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