鬼ノ城

登城記
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日本100名城
所在地:岡山県総社市

登城日:2016年11月

 7世紀頃に築城されたと言われている古代山城。復元された西門や西門周辺の土塁屏風折れの石垣など見応えある城です。城から見渡すことのできる景色は素晴らしい絶景です。

魅力度ポイント

 山頂の古代山城を思う存分楽しむために、城内の遊歩道に沿って、是非とも城を1周してみてください!

点数はあくまでも個人的な見解です。魅力度ポイントの詳細については以下ご参照ください。

概略

 鬼ノ城は、吉備平野を見おろす鬼城山(きのじょうざん)の山頂部に築かれた古代山城です。築城者、築城時期は不明ですが、7世紀頃に築かれたと言われています。当時の大和朝廷が日本の防衛のために築いた説が有力であるようです。

 城壁は山頂部の7〜9合目あたりを取り囲むように石塁土塁で構成されており、全長は約2.8kmあります。城壁で囲まれた面積は約30ヘクタールあります。城門は4ヶ所あり、城内には礎石建物跡や掘立柱建物、鍛治の遺構などが確認されています。

別名鬼城山
城地種類古代山城(神籠石系山城)   
築城年代7世紀後半   
築城主大和朝廷が有力
主な城主
文化財史跡区分 国指定史跡

見どころ

縄張

鬼ノ城概要図

 鬼ノ城ビジターセンターに展示されている説明版です。真ん中の緑の図が鬼ノ城の縄張りを表しています。

模型

 同じく鬼ノ城ビジターセンターにあった模型です。戦国の山城とは異なり、山頂を城壁で囲むという古代山城の構造をしています。

鬼ノ城案内図

 こちらは城内にあった案内図です。ぐるっと城壁で囲んでいるので、城壁に沿った遊歩道が整備されています。遊歩道を歩けば城を1周できます。城内の中心部あたりには礎石建物もあったようです。

西門

学習広場(展望台)

 鬼ノ城ビジターセンターから鬼ノ城へと向かうわけですが、途中に学習広場と呼ばれている展望台がありますので、寄っていくことをお勧めします。鬼ノ城の西門が見渡せて、眺望は素晴らしいです。なぜ学習広場と呼ばれているのか不思議ですが・・。

学習広場から見た鬼ノ城(西門)

 学習広場からこんな感じで見渡せます。眺めは最高です。西門が見え、その向こう側は鬼ノ城の城域です。山の頂上付近にどっしり構えている感じで、見る者を寄せ付けない頑強な城という感じがします。

学習広場から見た鬼ノ城(西門)のアップ

 もう少し望遠にして撮っています。西門とその付近の城壁、左側の角楼(かくろう)跡もはっきりと望むことができます。

西門

 西門の間近まで来ました。威圧感あります。立派な門ですね。鬼ノ城最大の門です。城が築城されたと言われている7世紀に、山頂付近まで登ってきてこんな門が建っていたらビビりまくりそうです。

西門の裏側

 城内から見た西門です。西門跡は良好な状態で残っていたらしく、関連資料等を参考にして、今のこの3階建ての門を復元したそうです。

角楼跡から見た西門

 西門の城壁続きの北側には角楼跡という長方形に張り出した防御施設があります。そこから西門跡を見るとこれまた素晴らしい眺望で、西門の向こうに山々や吉備平野を見渡すことができます。こちらの視界にはここ以上に高い山がないので、下界を見おろしているかのような気分を覚えます。

西門の版築土塁

 西門に向かって右側には復元された城壁が続いています。大部分が版築土塁と呼ばれるもので構築されています。土を少しずつ入れて突き固める、ということを何度も繰り返して高くする手法のようです。

西門の高石垣

 要所には石垣を使用したようですが、それ以外の箇所は土塁です。

西門の城壁

 西門の南側から見ると城壁が堅固に続いていることがわかります。

西門の内側

 南側から見た西門です。南に向かって傾斜は低くなっています。特に南側には敷石が多数敷きつめられていて石畳のようになっています。通路、あるいは城壁の崩壊を防ぐ目的だったと考えられています。敷石は日本の古代山城では鬼ノ城にしか存在しないらしく、珍しいものです。

北門

遊歩道

 西門から北門へ向かいます。遊歩道が続いているので迷うことはありませんが、遊歩道と言っても登山道のような感じです。ただ、なだらかではありますので歩きやすいです。

北門

 鬼ノ城で唯一山陰側にある門です。西門、南門に対してやや小型の城門だったようです。やはり、西、南側の瀬戸内方面からの防御を考えて築城されているのだと思います。戦国時代的に言うと搦手門ということになるのでしょうか。

城内から見た北門

 北門も整備されています。石積みはもとの位置のままの石と積み直し、補充した石で整備されているようです。

城外から見た北門

 通路床面下には排水溝が設けられているようで、日本の古代山城では初の発見例であるようです。

屏風折れの石垣

屏風折れの石垣(遠景)

 鬼ノ城の北東の角あたりにあるのが屏風折れの石垣です。

屏風折れの石垣(近景)

 突出するように高石垣が築かれていて、鬼ノ城で最も有名な石垣です。7世紀頃に積まれた石垣がまだ崩れずに残っていると思うと非常に感慨深いです。

石垣の上から城内を見る

 内側列石や敷石が残っていることから建物等は存在しなかったと考えられています。

石垣と眺望

 石垣部分は突出しているだけあって、石垣の上から見る眺望は非常に素晴らしいです。

石垣の上からの景色

 ちょっとガスってますが絶景です!もしかしたら備中高松城も見えていたかもしれません。方角的には合っているはず。

東門

東門

 東門は西門や南門に比べるとやや小さな門になっています。門を入ったら正面に巨大な岩があり、その岩に行手を阻まれるような作りになっています。

東門(正面)

 門柱が復元されています。

東門と眺望

 東門越しに見る景色もまた絶景です。当時の人もこの門から同じように景色を見ていたと想像するとなんだか感動です。

東門と南門の間の道

東門と南門の間の突出部

 東門と南門の間の道にちょっとした突出部があります。見ての通りの絶景です。

屏風折れの石垣と東門

 そこから東方面を見ると屏風折れの石垣東門が一望できます。素晴らしい場所です。

屏風折れの石垣と東門(望遠)

 望遠でもっと寄って見るとよくわかると思います。左上が屏風折れの石垣で、右下が東門です。

望遠で見る東門

 さらにアップで撮った東門です。

道から見える景色

 遊歩道の南側は瀬戸内海方面で、平野や山々が見られる眺めは最高です。まるで空を歩いているような気分になります。

敷石の説明板

 南門にほど近いあたりは道に敷石が残っているようです。

敷石

 西門の近くにもありましたが、南門の近くにもこうした敷石を敷き詰めて通路にしていたというのは、よほど労力がかかったのだろうと思われます。それだけ重要な城という位置付けだったのでしょうか。

南門

東側から見た南門

 鬼ノ城の南面に面した門が南門です。

城内から見た南門(正面)

 なんと南門は規模や構造、柱の間隔が西門と同じ大きさにできているそうです。西門と南門が両方とも正門だったということなんでしょうか、同じというのは面白いですね。

西側から見た南門

 柱跡や石積みは綺麗に整備されています。

アクセス

最寄りの駅やバス停はないので公共交通機関では行くのが難しいです。
鬼ノ城の近くに鬼ノ城ビジターセンターがありますので、そこまで車で行くことをおすすめします。鬼ノ城まで徒歩約10分くらいの場所にあります。
鬼ノ城ビジターセンターまでは山道で、道幅が狭くなっている所がありますのでご注意ください。

鬼ノ城ビジターセンター(駐車場あり)

スタンプ設置場所

 鬼ノ城の日本100名城スタンプは、下記に設置されています。(最新情報や詳細は公式サイトにてご確認お願いします。)

鬼ノ城ビジターセンター
・総社市埋蔵文化財学習の館

開館時間、休館日にご注意ください。
総社市埋蔵文化財学習の館には、鬼ノ城ビジターセンターが休館時のみスタンプが設置されるようです。

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