続日本100名城
所在地:静岡県島田市
登城日:2023年4月
戦国時代に築かれた山城です。武田家と徳川家が国取りの拠点とした城です。武田流築城術が随所に見られ、日本最大級の丸馬出や三日月堀が良好な形で残っています。
魅力度ポイント
二の曲輪中馬出をはじめとした複数の馬出や空堀は迫力があって見応えがあります。
点数はあくまでも個人的な見解です。魅力度ポイントの詳細については以下ご参照ください。
概略
牧之原台地の北端部に近い台地に立地する山城です。1573年(天正元年)、武田勝頼が遠江(徳川領)へ侵攻を目論み、家臣の馬場(美濃守)信春に命じて築城したといわれています。城内に諏訪大明神を祀ったことから諏訪原城と名が付いたと言われています。
1575年(天正3年)、長篠の戦いで武田軍が織田・徳川連合軍に敗れた後、徳川家の反攻によって諏訪原城も落城しました。その後、徳川家康は「牧野城」として改修を加え、この城を拠点に武田家に対抗していたが、1582年(天正10年)に武田家が滅亡し、徳川家康が関東に移ると存在意義も薄れ、1590年(天正18年)には廃城になったようです。島田市が2009年~2015年に実施した発掘調査によると、現在残る遺構の多くは徳川家康によって改修された可能性が高いと言われています。
別名 | 牧野原城、牧野城、扇城 |
城地種類 | 山城 |
築城年代 | 天正元年(1573年) |
築城主 | 武田勝頼、徳川家康 |
主な城主 | 城番:室賀氏、牧野氏、松平氏、今川氏 |
文化財史跡区分 | 国指定史跡 |
見どころ
縄張
牧之原台地の先端に位置し、本曲輪東側が断崖絶壁で、当時の大井川が本曲輪背後を流れていたことから、「後ろ堅固の城(うしろけんごのしろ)」となっています。本曲輪の前面を二の曲輪が取り巻いています。案内板の縄張図はわかりやすいですね。
本曲輪東側は断崖絶壁になっていて、大井川や島田市街を望むことができます。天気が良いと富士山まで見えます。この日もぎりぎり富士山が見えました。(わかりにくいですが、左側の木と向こうの山が交わるあたりに見えている白いものが富士山です。。)
二の曲輪の外堀近くに「史跡 諏訪原城跡」の石碑がありました。
二の曲輪中馬出
諏訪原城ビジターセンターから北へ外堀に沿って歩いていくと二の曲輪中馬出が見えてきます。正面に見えるのが二の曲輪中馬出で、右側は外堀です。
諏訪原城で一番有名だと思われる二の曲輪中馬出です。二の曲輪の西側にある丸馬出です。近づくと丸馬出と三日月堀がよくわかります。この馬出は日本最大級の大きさを誇っています。実際に見ると迫力がすごいです。馬出の規模は大きいし、三日月堀は幅が広くて深い。一見の価値があると思います。
三日月堀の外側には柵があります。転落防止の意味もあるのでしょう。
馬出南側の外との出入りのための通路(土橋)です。
二の曲輪中馬出を外側から見ました。南側半分くらいです。三日月堀の終端に馬出の南側の出入りのための通路(土橋)があり、その先には外堀があります。
二の曲輪中馬出を外側から見ました。北側半分くらいです。馬出の北側の出入りのための通路(土橋)があり、その先には外堀があります。向かって左側(二の曲輪中馬出の北側)には二の曲輪北馬出跡があります。復元された薬医門も見えます。
馬出の中央付近に立って北側を見た感じです。二の曲輪北馬出跡が見えて、右側には外堀が見えます。二の曲輪北馬出とは土橋で繋がっています。
同様に、馬出の中央付近に立って西側を見た感じです。三日月堀の底はここからだと見えませんね。
同様に、馬出の中央付近に立って南側を見た感じです。左側に外堀があります。やはり馬出自体が広大ですね。
二の曲輪
二の曲輪北馬出
二の曲輪北馬出の西側の空堀です。ここも結構深いです。
二の曲輪北馬出には、2017年に復元された薬医門があります。発掘調査で門に使われた礎石が確認されたようです。
外堀
二の曲輪の西側にある外堀です。右側が二の曲輪、左側が二の曲輪北馬出、中馬出です。幅が広くて深いです。この空堀も迫力あってすごいです。
写真では少しわかりにくいですが、右側が二の曲輪です。二の曲輪中馬出と二の曲輪大手馬出の中間あたりにある外堀です。ビジターセンターから入るとまずこのあたりの外堀の迫力を目の当たりにすると思います。
二の曲輪(馬出などその他)
広大な空堀です。右側が二の曲輪、左側が二の曲輪大手馬出です。
二の曲輪東内馬出です。二の曲輪から南に向かって歩いていくと見ることができます。
二の曲輪南馬出です。西から見ています。三日月堀が素晴らしいです。二の曲輪の南側には馬出が4つ(大手馬出、東内馬出、南馬出、東馬出)あり、堀と土塁、土橋が巧みに組み合わさった縄張が見られ、見応えがあります。
二の曲輪大手馬出には、諏訪神社があります。
本曲輪
二の曲輪から東に行くと本曲輪です。二の曲輪ほどではないにしてもそれなりに広大です。
北側の内堀です。右側が本曲輪、左側が二の曲輪です。内堀も結構幅が広くて深いです。
本曲輪から外の東側の内堀を見る。内堀のさらに外側に土塁が積まれています。かなり守備力高いです。
本曲輪の南側から内堀に降りられる道があります。向こうに見えているのが二の曲輪です。
内堀に降りていくと底を通って二の曲輪まで登ることができます。内堀の底ではカンカン井戸を見ることができます。
アクセス
公共交通機関だと不便ですので車で行くのがおすすめです。
城跡のすぐ前に諏訪原城ビジターセンターがあり、駐車場もありますのでそちらが便利です。
スタンプ設置場所
事務室入り口横に続100名城スタンプがあります。入場は無料です。駐車場あり。
開館時間と休館日にご注意ください。
2019年3月にオープンした施設で、それ以降、スタンプ設置場所は諏訪原城ビジターセンターに設置されているようです。
周辺スポット
蓬莱橋
諏訪原城から車で約15分のところにあります。大井川にかかる、全長897.4メートル、通行幅2.4メートルの木造歩道橋です。「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてギネスに認定されました。橋の通行には渡橋料金がかかりますが、歩いて往復すると大井川や牧之原台地がよく望めて気持ちがいいです。駐車場は橋の北側(大井川の北側)にあり無料です。