続日本100名城
所在地:長野県諏訪市
登城日:2024年4月
戦国末期、1598年(慶長3年)に築城。諏訪湖を天然の防備とし、往時は城の際まで諏訪湖の水が迫り、湖上に浮いて見えたことから「諏訪の浮城」と呼ばれました。復興された三重天守や冠木門が見どころ。
魅力度ポイント
復興された天守や冠木門を含めた眺望は美しい。天守最上階からの眺めも良いです。
点数はあくまでも個人的な見解です。魅力度ポイントの詳細については以下ご参照ください。
概略
1590年(天正18年)、徳川家康の関東転封に伴って当時の諏訪領主諏訪頼忠が武蔵国へ移った後、豊臣秀吉の家臣日根野織部正高吉(ひねのおりべのかみたかよし)が諏訪に転封。日根野高吉は、1592年(文禄元年)から1598年(慶長3年)まで7年がかりで高島城を築いた。諏訪湖の水が城の際まで迫り、湖上に浮いて見えたことから別名「諏訪の浮城」と呼ばれた。
城は、北から三之丸、二之丸、本丸がほぼ一直線上に連続配置した連郭式で、諏訪湖と河川に囲まれた難攻不落の水城でした。本丸には三層三階の望楼型天守が建てられました。天守をはじめ主要な建物の屋根が瓦葺きではなく、檜に薄い板を葺いた杮葺き(こけらぶき)で、これは湖畔の軟弱地盤で重い瓦が使えなかったからとか、寒冷に耐えられる瓦が調達できなかったためとか言われています。
明治になると、廃藩置県により城郭の撤去が決定。1875年(明治8年)には天守の撤去が終了。翌年には本丸跡が高島公園として一般に開放され今に至っています。1970年(昭和45年)、天守、冠木門、冠木橋、角櫓などが復興されました。
別名 | 諏訪の浮城、島崎城 |
城地種類 | 平城 |
築城年代 | 文禄元年(1592年)〜慶長3年(1598年) |
築城主 | 日根野高吉 |
主な城主 | 日根野氏、諏訪氏 |
文化財史跡区分 | 市指定史跡 |
見どころ
本丸
冠木門/冠木橋
本丸(高島公園)の外側(北側)から見た冠木門です。立派な櫓門として復興されています。ちょうど桜祭りの時期でしたので、ちょうちんがかかっていました。
二之丸から本丸の冠木門に渡る冠木橋も復興されています。冠木門の西側(写真右奥)に見えるのは復興された天守です。このあたりから見る景色が堀、石垣、冠木門、冠木橋、天守が一望できるので、「THE 高島城」としては一番良い場所かもしれません。
角櫓
本丸の北東隅には角櫓も復元されています。二重櫓になってますね。
冠木門から角櫓まで土塀がのびています。逆側は冠木門から天守まで土塀がのびています。
内濠/石垣
本丸の北側と東側が水堀になっています。天守閣と本丸北側、本丸東側に石垣が残っているようです。
二之丸と本丸の間は水堀になっています。見た感じでは、角櫓の北側のこのあたりの堀幅が一番広いように見えました。
本丸東側の石垣です。東側の石垣の折れの部分で「持方月櫓」と呼ばれている櫓跡の石垣です。往時の石垣だと思われます。野面積のようですが、隅部分は算木積ですね。
本丸跡
本丸跡は現在は高島公園となっております。中心には心字池(上から見ると「心」の字の形をしています)という池があります。桜の名所にもなっていて、ソメイヨシノを中心にシダレザクラ、ヒガンザクラ、ヤエザクラなど約90本が植えられているそうです。また、樹齢約130年を超えるフジもあるそうです。
高島城の西側の専用駐車場から高島城内に入ると本丸跡になります。現在は高島公園になっていて、入ったすぐ先の右側には藤棚があり、中心には池があります。桜の木もあります。
桜の季節に訪れましたが、まだ五分咲きくらいでしたね。桜の向こうにかすかに天守が見えます。
1803年(享和3年)、第七代藩主の頃、三之丸浴場に引湯をした時の石枡です。本丸から温泉が湧出しており、往時の藩主家族は入浴していたようです。温泉が豊かな諏訪ならではの城ですね。
高島城についての立派な石碑がありました。昭和45年とありますので、天守や冠木門の復興を記念して作られた石碑だと思われます。
天守
1970年(昭和45年)に復興された三重の望楼型天守です。もう50年以上経っているんですね。本丸の北東隅に建っております。天守の内部は資料館になっていて、1階は企画展示、2階は歴代藩主などの資料が展示されており、3階は展望コーナーになっています。
天守の西側は道路と接しております。野面積で隅部分は算木積のようですね。
やはりこの冠木門辺りから見ると、天守と石垣、堀が一望できて素晴らしい眺めですね。
本丸跡(高島公園内)から見た天守です。階段を少し登ったら天守入口(=資料館入口)があります。
中に入るには入場料が必要です。続100名城スタンプも入った先にあります。
天守3階の展望コーナーから本丸跡(高島公園)の様子がよくわかります。桜が満開だときっと綺麗でしょうね。よく晴れているとこの方角の山裾のあたりに富士山が見えるそうですよ。
東側を見ると堀と冠木門と冠木橋が見えます。木に隠れて見えにくいですが、本丸側に冠木門があり、堀にかかっている橋が冠木橋です。
西の方を見ると諏訪湖が見えます、うっすらと。往時は城の際まで諏訪湖の水が迫っていたらしいので、この方角を見るとほぼ諏訪湖だったんでしょうね。
アクセス
JR中央本線【上諏訪】駅より徒歩約10分
城の西側に無料駐車場があり近くて便利です。
駐車場の道路一本隔てた隣がもう高島城(高島公園)です。駐車場から見て天守の右側に石垣を抜ける公園入口があります。
スタンプ設置場所
復興天守そのものが資料館になっています。資料館の中に続100名城スタンプがあります。(スタンプは中に入らないと押せません。)
開館時間と休館日にご注意ください。
休館日はスタンプが利用できません。
周辺スポット
諏訪湖
諏訪といえばやはり諏訪湖ですよね。周囲約16kmの信州一の大きさを誇る湖だそうです。高島城のすぐそば(北西方面)ですので、高島城から歩いて数分で湖畔まで行けます。諏訪湖を一望するなら立石公園がお勧めです。高島城からだと車で10〜15分くらいの距離です。
諏訪大社
諏訪神社の総本社、諏訪大社もお勧めです。諏訪湖を挟んで南と北に上社と下社に分かれていて、さらにそれぞれが2宮を有しています。高島城の南に上社本宮と上社前宮、北に(諏訪湖よりも北に)下社春宮と下社秋宮があります。どこも荘厳な雰囲気があり、清々しい気分になれます。車であれば2〜3時間くらいで4社巡れると思います。