日本100名城
所在地:鹿児島県鹿児島市
登城日:2025年4月
麓の本丸には復元された御楼門があり、見応えあります。城山は散策に素晴らしく、展望台から見る桜島は最高です。西南戦争の舞台ともなり、明治を感じる城跡です。
魅力度ポイント


御楼門は一見の価値あり。城山は散策も気持ちよく、麓の本丸とセットで訪れることをお勧めします。
点数はあくまでも個人的な見解です。魅力度ポイントの詳細については以下ご参照ください。
概略
鹿児島城は、1601年(慶長6年)に島津忠恒(家久)によって築城されました。島津忠恒は、島津義弘の実子で島津義久の養子となっており、関ヶ原の戦いで敗れた後、島津家の新当主となり、薩摩藩初代藩主となった人物です。城は1604年(慶長9年)に完成しています。
背後に城山があり、城山東麓に本丸、二之丸が連郭式に並び、石垣と堀で囲まれた割と簡素な城です。城山も含めて鹿児島城の範囲とされているようですので、平山城となっておりますが、平城という説もあります。天守はありませんでした。
1873年(明治6年)の火災によって本丸、御楼門は焼失しています。1877年(明治10年)、城と城山は西南戦争の舞台となり、二之丸が焼失しています。
現在は、本丸跡に鹿児島県歴史資料センター黎明館、二之丸跡に鹿児島県立図書館、美術館、博物館が建っています。御楼門は復元計画が進められ、2015年から2020年まで復元工事が行われ、2020年4月に一般公開が始まっています。
別名 | 鶴丸城 |
城地種類 | 平山城 |
築城年代 | 1601年(慶長6年)頃 |
築城主 | 島津忠恒 |
主な城主 | 島津氏 |
文化財史跡区分 | 県指定史跡 |
見どころ
御楼門(ごろうもん)

鹿児島城の大手口にあたる正面玄関のような櫓門が御楼門(ごろうもん)です。2020年に復元が完了しています。かなり立派ですね。二重二階で屋根に鯱があり、高さ約20mもあるという国内最大級の城門です。

御楼門に架かる橋は当初は板橋でしたが、1810年(文化7年)に石橋に架け替えられたそうです。

この角度から見る御楼門もいいですね!どの角度から見てもカッコイイです。

橋のたもとには、「鶴丸城」の石碑があります。鹿児島では広く一般的に鶴丸城と呼ばれることが多かったらしいです。鶴丸城の石碑と御楼門を撮るには、ここら辺が良いフォトスポットだと思います。

門をくぐった脇には階段がありました。ただ、どうやら2階部分は公開していないようです。

門を入った先から裏側を撮っています。間近で見ると幅の広さ、門の大きさを実感します。

門を入り、虎口を曲がって城内に入り、裏側から見た御楼門です。後ろ姿も良いですね!

黎明館の入り口には、御楼門に用いられた技術の説明と各部品が展示されています。

少し見にくいですが、写真の奥から土壁、鯱、鬼瓦、屋根と瓦が展示されています。御楼門の屋根の上にある青銅製のシャチホコは、高さがなんと180cmもあるらしいです。
本丸
石垣/堀

本丸正面の堀と石垣です。右奥に見えているのが御楼門です。ほとんど水はありませんでした。

御楼門の右側の堀と石垣です。堀はハスの名所として知られているようですが、その季節ではなかったようで咲いていませんでした。

本丸北側の堀とその堀に架かる橋の石垣です。北御門があった場所のようです。

御楼門の左側の石垣には、表面の縁取りだけが一段彫り窪められている所があります。目地には漆喰が施されています(石の縁が白くなっている所です)。見せることを意識していると言われています。他の城では見たことがないです、珍しいタイプの石垣だと思います。

御楼門から入った先の虎口は石垣に囲まれています。
西南戦争の痕跡

御楼門を通った先あたりに西南戦争の痕跡についての説明板があります。御楼門周辺の石垣にはたくさんのくぼみがあり、それらは西南戦争の際の銃弾や砲弾によってくぼんだ跡だということです。

けっこうボコボコになっています。中には銃弾や砲弾の破片が食い込んで残っているものもあるようです。

こちらはもっと凄まじいです。御楼門を入った正面にあたる石垣なので、最も銃弾を受けたと思われます。攻撃の激しさがよくわかる痕跡です。
御角櫓(おすみやぐら)跡

御角櫓(おすみやぐら)は本丸の南の隅にあった櫓で、堀に面していました。

ここにあったということです。右側は二之丸です。城の美観や威厳を保つ役目もあったようです。明治に撮影された写真も残っていて、それが↑の説明板に載っています。かなり立派な櫓です。

写真右隅が御角櫓があった場所になります。1853年(嘉永6年)にあの有名な篤姫が御角櫓から祇園祭を見たという記録が残っているそうです。
黎明館(れいめいかん)

城の史跡ではありませんが、現在の本丸には1983年に建てられた黎明館という歴史資料館があります。中は結構広くて、鹿児島に関する様々な歴史、民俗、美術、工芸、等々が展示がされていますので、鹿児島城に登城した際は訪れてみるとよいと思います。
二之丸

本丸の南側に隣接している曲輪が二之丸です。藩主の世子や隠居の居宅があったようです。現在は鹿児島県立図書館が建っています。

現在図書館の敷地である二之丸に入ると本丸との間の石垣を見ることができます。この石垣のすぐ向こう側は本丸です。

この石垣は地下2mくらいまで続いているらしく、今芝生になっているところは往時は堀だったかもしれません。
城山

本丸、二之丸の背後の山が城山で、鹿児島城が築城された当時、軍事機能の中核は城山にあったそうです。西南戦争では、西郷軍が最後に立て籠った場所としても有名ですね。
現在は城山公園になっており、こちらは鹿児島市立美術館の裏あたりにある城山遊歩道の入り口です。歩いて山頂まで行くと散歩にちょうどいい感じです。

鹿児島といえば桜島ですよね。城山公園の展望台は有名なスポットで、桜島の雄大な姿や鹿児島市街を一望することができます。ここから眺める桜島は最高に素晴らしいです。
アクセス
・鹿児島市電「市役所前」駅より徒歩約5分
・JR「鹿児島」駅より徒歩約15分
車の場合、黎明館も訪れるのであれば、黎明館の無料駐車場を利用する方法もあります。市内中心部ですので、鹿児島城としての駐車場はなさそうです。また、城山展望台には駐車場があります。
スタンプ設置場所
鹿児島城の日本100名城スタンプは、下記に設置されています。(最新情報や詳細は公式サイトにてご確認お願いします。)
入館した先の案内所でスタンプが押せます。
黎明館は休館日があります。(毎週月曜日(祝日の時は翌日)、毎月25日(土日は開館))
休館日の場合は、西郷銅像前広場観光案内所でスタンプが押せるようです。
周辺スポット
幕末・明治の偉人(西郷隆盛/小松帯刀)の銅像

西郷隆盛の銅像です。歩道よりかなり上の方に建っています。鹿児島城二之丸から南に2ブロックくらい行った中央公園の斜向かいに城山を背後に立っておられます。西郷隆盛については有名人なので説明不要かと思いますが、明治維新の立役者で、西南戦争の際に城山で自決された人です。フォトスポットのようになっていて、多くの人が足を止めて写真を撮っておりました。

こちらは小松帯刀の銅像です。西郷隆盛の銅像と車道を挟んで向かい合うように建っております。宝山ホールの前に立っています。そこまでメジャーな人ではないですが、幕末の薩摩藩で薩長同盟等で重要な役割を果たした人です。小松帯刀の方は誰も足を止めていませんでしたのでちょっと寂しかったです…。