目的/前提
”今現在”見にいくことのできる「城」としての総合的な魅力度に点数を付けて、勝手に評価する試みです。
それぞれの城にはそれぞれの特徴や魅力がありますので、例えば点数が低いから価値がないということではありません。あくまでも城に対する表現の1つとして、訪れるキッカケとなったり理解を深める一助になれば良いと考えます。「ふ~ん、へぇ~」くらいに思ってもらって、城巡りに少しでも参考になれば幸いです。
あくまでも私個人が登城した際に感じた感想・考えで、個人的な見解です。
各城の魅力度ポイントは状況の変化(発掘調査、整備状況、復元等、又は判断基準の修正・調整等)に応じて適宜見直して更新します。
評価項目
10項目を考えてみました。各10点満点とします。(合計100点満点)
(1)地選/全体設計
- 地選(ちせん)、地取(じとり)
- 城全体(城下町、武家屋敷なども含めた全体)の設計、設計思想、グランドデザイン
- 立地、要衝地、地形の活用、地の利
- 本城・支城ネットワークや、 城下町、武家屋敷、街道、港なども含めた全体構想、設計
(2)縄張/配置
- 城の設計
- 曲輪、馬出、土塁/石垣、堀などの形状や広さの設定、組み合わせ、配置の巧みさなど
- 天守、櫓、門、塀、橋の位置、組み合わせ、配置、守備の工夫など
(3)虎口
- 城の出入口(または曲輪の正面開口部)
- 防御力、守備の工夫、技巧、形態(外枡形、内枡形など)など
- 馬出(丸馬出し、角馬出しなど)も「虎口」項目で評価する
(4)土塁/石垣
- 防御力、高さ、勾配、技術力、かっこよさ、美しさ、など
- 石垣の種類(野面積、打込接、切込接 + 布積、乱積)
(5)堀
- 空堀、水堀、堀切、竪堀、横堀、切岸など
- 防御力、形態、深さ、幅、かっこよさ、など
- 堀底の種類(薬研堀、毛抜掘、箱堀、障子堀、畝堀)
(6)建造物
- 天守、櫓、門(櫓門、高麗門、薬医門、埋門)、塀、橋、御殿など
(7)景観
- 城および城全体(自然環境、城下町や庭園も一体となっているのであればそれらも含めた全体)の情景
- 城から見える景色、眺望など
(8)歴史的重要性
- 歴史上の重要なイベント、意義、転換点、戦い、戦略上拠点となった、又はそれに関係している
- 築城における歴史的重要度(初めての築城術や工夫が施されている、など)
(9)来城者対応
- 見学しやすい(案内板や散策道などの整備状況)
- 展示施設や機能(見せる工夫、わかりやすさなど)
- 城へのアクセス
(10)現代社会貢献
- 日本の貴重な財産であり歴史や文化、伝統の理解に欠かせない史跡である
- 現在及び将来の社会、歴史文化の理解・発展に寄与する
- 地域社会や街づくりへの貢献(公園で市民の憩いの場となっている、ハイキングコースでの活用、など)
- 地域のイベント、観光、歴史、伝統、文化、生活に寄与している
- 周辺スポットとの相乗効果も考慮する
判断基準/考え方
(A)各評価項目に対する価値の高さ
防御力、重要度、技術力、存在意義、影響度、凄さ、かっこよさ、美しさ、技巧、面白さ、迫力、思想、独自性などを考慮して点数を付ける。
(B)現在見ることのできる遺構で判断する
各評価項目に対して、今現在見ることができる遺構(復元も含める)によって判断する。
例えば、城の構造物(建物、土塁、堀等)として過去に天守があったけど今はない、昔は堀があったが埋めたてられている、などは評価の対象としない。あくまでも今現在の状況を見て感じることのできる部分で評価する。しかし、過去存在していたものでインパクトのあるもの(例えば、安土城の天守など)については「歴史的重要性」や「現代社会貢献」の項目で評価する。